チャンピオンズカップで騎乗するのはカフェファラオ
C.ルメールという存在はかなり偉大なのかもしれない。先週行われたジャパンC(G1)はルメール騎手のアーモンドアイが優勝。芝G1・9勝という驚異の記録を樹立して引退の花道を飾った。
この勝利で、ルメール騎手はG1騎乗機会4連勝、今年G1・8勝目となった。これは自身が2018年に達成したJRA記録に並ぶもの。もし、今週末のチャンピオンズC(G1)を優勝すれば、記録更新となる。
そんなルメール騎手が騎乗するのはカフェファラオ。下馬評では国内無敗のクリソベリル「1強」ムードだが、その牙城を崩す候補として2番人気に支持されることが予想される。絶好調の鞍上が有力馬に騎乗することで、記録更新の可能性も十分にあり得るだろう。
まさに「ルメール時代」。これはチャンピオンズCの出馬表からも読み取れる。
16頭の出走馬のうち、5頭の前走はルメール騎手が手綱を取っている。その中からカフェファラオを選択したという見方もできるということも、人気に拍車をかけているのかもしれない。
ルメールは今回の出走馬10頭に騎乗している
さらに、騎乗経験のある馬まで広げると、大本命クリソベリル、ジャパンCで話題となったヨシオなど5頭にも跨ったことがある。なんと10/16頭はルメール騎手が手綱を取ったことがある馬なのだ。「ライバルの感触を知っているということは、カフェファラオに騎乗するルメール騎手に有利に働くはずです。レースの組み立てがしやすくなるのではないでしょうか。 今回、4頭がルメール騎手からの乗り替わりで出走するわけですが、これはトップジョッキーならではの現象ですね。有力馬の騎乗依頼が入り、前哨戦で結果を残す。
そして、G1では最もチャンスのありそうな馬を選択して勝つ。この勝利がまた騎乗依頼に繋がるというのは、まさに好循環ですね」(競馬記者)
今回、ルメール騎手から乗り替わりで出走するのはタイムフライヤー、ゴールドドリーム、アナザートゥルース、チュウワウィザードの4頭。上位人気が予想される有力馬もいるが、この4頭に歓迎できないデータが存在する。
ルメールからの乗り替わりで勝ったのはアノ馬だけ
ルメール騎手がJRA通年免許を取得した2015年以降、G1で同騎手から乗り替わりとなった馬は[1-8-6-48/63]の成績で、勝率はわずか「1.6%」しかない。これは先述の4頭にとって、絶望的とも言えるだろう。今年の高松宮記念(G1)はルメール騎手がドバイ渡航により不在だったため、4頭の馬が乗り替わりで出走となった。そのラインアップは1番人気タワーオブロンドン、2番人気グランアレグリア、5番人気モズアスコット、8番人気ノームコアと豪華メンバーだった。
しかし、結果はグランアレグリアが2着と気を吐いたが、それ以外はすべて2桁着順に沈んだ。ルメール騎手から乗り替わると勝てないというジンクスは健在である。 では、唯一勝った馬は何か。それは18年のマイルCS(G1)を勝ったステルヴィオだ。
同レースでルメール騎手は春のマイル王・モズアスコットに騎乗するため、ステルヴィオはW.ビュイック騎手へ乗り替わりとなった。結果は1番人気モズアスコットが13着に大敗した一方で、5番人気ステルヴィオが優勝した。
だが、今年のチャンピオンズCで頼れるビュイック騎手は不在……。
果たして、ルメール騎手から乗り替わりとなる4頭は不吉なデータを打ち破ることができるだろうか。