月曜の騎乗も酷いもの・・・
「M.デムーロ騎手×堀宣行厩舎」コンビはすでに過去の神話となったのかもしれない……。23日、東京競馬場で行われた東京スポーツ杯2歳S(G3)は1番人気ダノンザキッドが優勝。昨年コントレイルを輩出した出世レースを制し、クラシック候補に名乗りを挙げた。
その一方、デムーロ騎手の4番人気レインフロムヘヴン(牡2歳、美浦・堀宣行厩舎)は10頭立ての8着に沈んだ。
レースはレインフロムヘヴンが単騎逃げの形に持ち込み、1000m通過は60秒4。後続との差があることを考えれば、絶妙なペース配分と呼べるだろう。だが、直線では内に進路を取り、ズルズルと後退して惨敗という結果に終わった。
芝2000mのデビュー戦で逃げ切り勝ちを飾ったレインフロムヘヴン。ブリンカーからチークピーシズに替えた次走の百日草特別(1勝クラス)はスタートで出遅れて、道中ポジションを上げていくも2着。陣営はゲートのステップでモタれていたことを理由に、再度ブリンカーを着用して東京スポーツ杯2歳Sに挑むも、結果を出すことができなかった。
日曜のサリオスの騎乗も・・・
堀厩舎とデムーロ騎手のコンビと言えば、前日のマイルCS(G1)で2番人気に推されながらも、馬券圏外に敗れたサリオスと同じである。マイルCSで外枠に入ったサリオスはスタートで出負けして、後方を追走。大外を回して、上がり最速の末脚を繰り出すも、前残りのレース展開に涙を飲む5着となった。
この内容に元JRAジョッキーの安藤勝己氏は自身のTwitterで「悔やまれるのはサリオスの位置取り。自分から進んでくタイプやないで、掛からないんやから、あの枠引いたら押してポジション取らんと」と苦言を呈した。
後方から届かなかった日曜日、逃げ粘れなかった月曜日。奇しくも、正反対の競馬でデムーロ騎手は2連敗を喫することとなった。
「行きたがるレインフロムヘヴンをデムーロ騎手は抑えようとしていましたが、御することができなかったようです。直線は馬場の悪いところを通っていますが、着差を考えればコース取りでそこまで結果は変わらなかったと思いますよ。
サリオスの騎乗については厳しい意見もありますが、レインフロムヘヴンはやむを得ないところもあります。ただ、ファンにとっては2日連続で疑いたくなるような騎乗に映ったかもしれませんが……。
堀厩舎、ドゥラメンテ産駒、デムーロ騎手ということでレインフロムヘヴンには期待したのですが、残念な結果でした。それでも気性面が成長すれば、一変するかもしれません」(競馬記者)
デムーロの復活はあるのか?
レース後、デムーロ騎手は「競馬に行くとテンションが上がっていました。今日はブリンカーに戻しましたが、ずっとハミを噛んで抜かずに走っていました」とコメント。やはり、レインフロムヘヴンの精神面の幼さが敗因のようだ。今回ブリンカー着用で挑んだが、その効果は馬の視界を遮ることにより、レースに集中しやすくなるというもの。ゲートで問題のあったレインフロムヘヴンがスタートを無事に切っていることからも、その効果はあったようだ。ただ、あまりにも効きすぎて、レースに集中しすぎた結果の“暴走”だったのかもしれない。
かつてドゥラメンテで競馬界を席巻した「デムーロ騎手×堀厩舎」のコンビ。実は、2017年の宝塚記念(G1)をサトノクラウンで制して以来、3年以上重賞勝ちから遠ざかっている。これで重賞連敗は19に更新されてしまった。
今回はサリオス、レインフロムヘヴンと2日連続で人気を裏切る結果に終わったが、次こそは久々の重賞制覇を飾ることに期待したい。