牝馬、牡馬の三冠馬がJCで激突
ジャパンCは2強対決で終わるのだろうか……。5日、無敗の3冠馬コントレイルがジャパンC(G1)に向かうことが明らかになった。すでに参戦を表明している無敗の3冠牝馬デアリングタクトと、夢の3冠馬対決が実現することになる。
大山ヒルズでコントレイルの状態を確認した矢作芳人調教師は「実際に見て、体の張りもいいし、完全に回復していました。今日見た限りでは何の心配もありませんでした。あとはデアリングタクトも出てくるということでファンの盛り上がり、競馬としての盛り上がりを考えても、オーナーと相談して、そういう決断に至りました」とコメントした。
3冠達成直後となる2頭の無敗馬が激突することで、ジャパンCは空前の盛り上がりを見せること間違いなし。今年の総決算とも呼べる一戦になりそうだ。
その一方、今年の3歳戦線で2頭の後塵を拝した生産界の王者ノーザンファームにとっては、一矢報いるチャンスでもある。
今年、コントレイルとデアリングタクトにタイトルを総ざらいされたノーザンファームは、14年ぶりに3冠競走を無冠で終えた。だが、ジャパンCで2頭に勝利することができれば、面目を保つことが出来るだろう。
ジャパンCに出走しない?
しかし、ノーザンファームの有力馬が挙って「ジャパンCに出走しない」ということが起こるかもしれない。まず、出走が最も熱望されているのがアーモンドアイ。天皇賞・秋(G1)で芝G1・8勝を達成した最強女王が出走すれば、新旧3冠馬3頭によるドリームマッチが実現する。
次走にジャパンCと香港国際競走を視野に入れているが、昨年は天皇賞・秋から香港遠征というローテーションを予定していたことを考えれば、ジャパンC参戦の可能性は低いかもしれない。また、中2週で出走した安田記念(G1)で敗れているため、中3週のジャパンCは歓迎できるものではないだろう。現在、ノーザンファーム天栄に放牧に出されているため、そこでのコンディション次第となりそうだ。
次に期待されるのは、天皇賞・秋の2、3着馬のフィエールマンとクロノジェネシスだ。
前者はすでに有馬記念(G1)へ向かうことが発表されており、ジャパンCに出走することはない。後者の次走は発表されていないが、すでに登録を行った香港Cの招待を受けている。アーモンドアイと同じく、こちらも香港遠征の可能性は否定できない。
また、京都大賞典(G2)を制したグローリーヴェイズはジャパンCと香港ヴァーズ(G1)の両睨み。しかし、同馬は東京コース未経験のため、昨年優勝した香港ヴァーズに向かうことは十分に考えられる。
サートゥルナーリア、カレンブーケドール・・・
「ジャパンCにはサートゥルナーリアや昨年の2着馬カレンブーケドールも出走を予定しています。しかし、宝塚記念で距離が敗因のひとつに挙げられたサートゥルナーリアにとって、東京2400mはベスト条件と言えそうにありません。また、カレンブーケドールも復帰戦のオールカマー(G2)で2着、京都記念では斤量が1キロ重いクロノジェネシスに完敗していることを考えれば、一線級相手に力不足感は否めません。
やはり、コントレイルとデアリングタクトを相手にするとなれば、天皇賞・秋の上位馬でないと勝つのは難しいのではないでしょうか」(競馬記者)
他にも、昨年の有馬記念以来の出走となる菊花賞馬ワールドプレミアも出走を予定しているが、長期休養明けという不安材料がある。こちらも割引が必要に思われる1頭だ。
果たして、無敗の3冠馬対決となるジャパンCに華を添えるノーザンファームの有力馬は出走するのだろうか。今後の動向に注目したい。