3歳馬と古馬の対戦
先週から秋競馬が開幕し、早速東西で熱い戦いが繰り広げられた。中京競馬場ではセントウルS(G2)をダノンスマッシュが制し、悲願のG1制覇に大きく前進。中山競馬場では京成杯AH(G3)をトロワゼトワルが制し、同レース連覇でサマーマイル王者に輝いた。
それと同時に3歳馬にとっても秋華賞(G1)、菊花賞(G1)に向け、20日に秋華賞トライアル・ローズS(G2)、21日にセントライト記念(G2)、27日に神戸新聞杯(G2)が予定されており、ラスト1冠をめぐる戦いはより一層激しくなることが予想される。
ただ、今年の3歳馬のレベルについては低いのではないかという声も一部で出ていることも確かだ。6月から古馬相手のレースが開催されたが、人気を裏切るケースが目立っている。
いずれも1番人気の支持を受けたギルデッドミラーが中京記念(G3)で6着、ワーケアが新潟記念(G3)で10着。ビアンフェは3番人気のセントウルSを5着、ルフトシュトロームに至っては2番人気の京成杯AHを16着と大敗してしまった。
重賞で人気を裏切る着順を繰り返し、これでは3歳馬のレベルが低いという評価もあながち間違いではないといえそうな成績である。これから古馬との対決が待っているコントレイル、デアリングタクトにとっても気になる材料だろう。
その一方、一概にそうとも言えない可能性がある。
スマイルカナの激走
桜花賞(G1)3着馬のスマイルカナがサマーマイルシリーズで米子S(L)を1着、京成杯AHをあわやのハナ差2着という抜群の存在感を見せているのだ。同世代の牡馬が古馬相手の重賞で通用していない中でこれは大健闘といえる。「スマイルカナだけはまさに孤軍奮闘といった活躍でした。ただ、スマイルカナはクラシックである桜花賞3着馬ですからね。確かに牡馬の成績は不甲斐なかったとはいえ、クラシックで3着以内に入ったような馬の出走はありませんでした。
新潟記念10着のワーケアはホープフルS(G1)3着の実績はありましたが2歳時のものだけに、ダービー8着の成績からは過大評価だったかもしれません。世代レベルを推し量るにしてもコントレイルやサリオスが古馬相手にどこまでやれるのかを見てからになるでしょう」(競馬記者)
世代トップ2のサリオス
※10月11日の毎日王冠(G2)にはサリオスが出走を予定している。牡牝のレベルの比較は、そのままデアリングタクトVSコントレイルの比較にも直結する側面もある。
牡馬NO.2のサリオスが古馬相手にどのような走りを見せるかには、より大きな注目が集まることになりそうだ。