ソフトフルートは福永とコンビ決定
15日、阪神競馬場で行われるエリザベス女王杯(G1)に、ソフトフルート(牝3歳、栗東・松田国英厩舎)が出走を予定している。鞍上は、前走の藤岡康太騎手から乗り替わり福永祐一騎手。松田調教師とのコンビでは、ダイワエルシエーロのオークス(G1)、フサイチリシャールの朝日杯FS(G1)と、G1で2勝しているコンビだ。
このコンビでエリザベス女王杯といえば、思い出されるのがフサイチエアデール。2000年前後の牝馬戦線を盛り上げた一頭といえるだろう。
武豊騎手鞍上で1998年にデビューしたフサイチエアデールは、単勝1.8倍の圧倒的支持を集めながらも13着と惨敗。その後の未勝利戦でも、5着、2着と勝ち切れないでいた。
しかし、デビューから4戦目となった未勝利戦で一変。2着に8馬身差をつけて圧勝したところから、フサイチエアデールの運命は動き出す。
フサイチエアデール三冠では善戦まで
続く、さざんか賞では高橋亮騎手に乗り替わり2着に惜敗。再び武豊騎手へと鞍上が戻ったフサイチエアデールは、シンザン記念(G3)を優勝し、続く桜花賞トライアル・4歳牝馬特別(G2)で連勝を飾った。完全に勢いづいたフサイチエアデールは、桜花賞(G1)でも2番人気と多くの支持を集めていたが2着に惜敗。続くオークス(G1)でも5着と敗れる。
福永祐一騎手が、初めてフサイチエアデールで競馬に挑んだのがローズS(G2)。結果は2着に敗れたが、タイム差なしの惜しい競馬であった。
秋華賞(G1)でも5着と敗れたフサイチエアデール。古馬との初対決となったエリザベス女王杯では、7番人気と評価を落としていた。
しかしながら、このレースで2着と健闘。勝利したのは、これがラストランとなったメジロドーベルだった。
2000年となってからは、ダービー卿チャレンジトロフィー(G3)、マーメイドS(G3)を勝利するなど重賞戦線でも活躍したフサイチエアデール。しかしながら、未だにG1制覇には手が届かないでいた。
21年越しのリンベジ
G1挑戦のラストチャンスとなったのが2000年のエリザベス女王杯。このレースは横山典弘騎手で挑んだが、1番人気に推されながらも結果は2着であった。勝利したのは、これがラストランとなるファレノプシス。昨年に続く2着となったフサイチエアデールは、またもや脇役として「有終の美」に華を添える形となってしまった。 生涯、G1での2着が3回あったフサイチエアデール。G1勝利には至らなかったが、世代を彩った脇役であり「名牝」でもあった。G1での2着は、G1初出走となった1999年の桜花賞(プリモディーネ)、古馬との初対決となった同年のエリザベス女王杯(メジロドーベル)、そして2000年のエリザベス女王杯(ファレノプシス)。
G1初出走となった桜花賞でフサイチエアデールのG1勝利を阻んだのが、今回ソフトフルートで松田調教師とタッグを組む福永騎手だった。
JRAの規定によって来年2月の調教師引退が決まっている松田調教師。このコンビでは、その1999年以来となるエリザベス女王杯への挑戦であり、これが最後のエリザベス女王杯挑戦でもある。
あの時と同じ、古馬との初対決となるソフトフルート。2着惜敗の悔しさを胸に、福永騎手が名伯楽と「21年越し」のリベンジに挑む。