カフェファラオがシリウスSに出走してくる
例年は阪神競馬場の2000mで行われるダートの中距離戦、シリウスS(G3)。今年は中京競馬場に場所を替え、距離も100m短い1900mで開催される。最有力視されているのは、カフェファラオ(牡3歳、美浦・堀宣行厩舎)だ。デビューが昨年12月で、キャリアはまだ僅か4戦。それでもデビューから3連勝が圧巻の内容で、今月に行われたケンタッキーダービーの出走も一時は視野に入れていた。しかし、前走のジャパンダートダービー(G1、以下JDD)で、1.1倍の断然1番人気に支持されたが、まさかの7着に終わり、大舞台への挑戦は幻に終わった。 前走の敗因について、騎乗したD.レーン騎手は、「タイヤの跡に反応して、逆手前でコーナーに入るミスステップが響いた。それに今までに経験したことのないキックバックにも反応して、ずっとバランスが取れなかった」とコメント。1コーナー手前で、躓いたこともリズムを崩す一因となった。
しかし、悲観することはない。米国産のカフェファラオは父に米クラシック三冠馬のアメリカンファラオを持ち、スピードが求められる中央の砂のほうが明らかに合っている。力の要する地方の砂での大敗は軽視してもいいのではないだろうか。初対戦となる古馬勢を圧倒し、堂々とダートの王道路線を突き進みたい。
3歳馬はダイメイコリーダとキメラヴェリテも出走してくる
そのカフェファラオに前走で先着したのがダイメイコリーダ(牡3歳、栗東・ 森田直行厩舎)。昨年7月のデビュー戦からすでに11戦をこなしてきたタフネスさが売りの一つだ。ダイメイコリーダの父も米国で走ったエスケンデレヤという血統だが、母系はパワーに勝るスタミナ型。叔父にゴールドシップがいることからも、前走JDDのような消耗戦になれば、力を発揮する。
JDDから100m距離短縮となるが、スタミナ勝負の展開になれば、カフェファラオを返り討ちにする可能性は十分あるだろう。
もう1頭の3歳馬キメラヴェリテ(牡3歳、栗東・中竹和也厩舎)も侮れない存在だ。ここ3戦は芝を走っていたが、ダートでは昨年10月の北海道2歳優駿(G3)を逃げ切った実績がある。
古馬も強力なラインナップ
ダートで逃げた時は「2-0-1-0」と安定していて、単騎先行でペースを握れば面白い存在となるだろう。父のキズナに中央のダート重賞初Vをプレゼントできるだろうか。2連勝中の上がり馬、ダノンスプレンダー(牡4歳、栗東・安田隆行厩舎)は通算「4-2-2-0」と抜群の安定感を誇る。この馬の強みは先行しながらも、確実な末脚を繰り出せるところ。時計勝負になると、脆さを露呈する怖さもあるが、昇級初戦で3歳勢をまとめて負かす可能性も考えておきたい。
百戦錬磨のミツバ(牡8歳、栗東・加用正厩舎)は1年8か月ぶりの重賞制覇を狙う。中央と地方合わせて通算50戦というキャリアは、すでに触れた4頭を合わせてもかなわない。
昨年1月の川崎記念(G1)を制して以降、7戦続けて馬券外と結果は出ていないが、強豪馬と相まみえてきた戦歴は見過ごせない。
他には、近親にローマンレジェンドなどがいるダート血統のグレートタイム(牡5歳、栗東・藤原英昭厩舎)、前走OP勝ちのアルドーレ(牡5歳、栗東・昆貢厩舎)などが出走を予定している。
ダート路線で好成績を残している今年の3歳馬。その真価が問われる一戦になりそうだ。シリウスSは10月3日(土)、15時35分に発走予定だ。