無念の最下位に終わったセントウルS
13日(日)、中京競馬場で行われたセントウルS(G2)は1番人気に支持されたダノンスマッシュが優勝。スプリンターズS(G1)の前哨戦を快勝し、秋のG1開幕戦に弾みをつけた。その一方、ハイペースで逃げた5番人気のセイウンコウセイ(牡7、美浦・上原博之厩舎)は、17頭立てのレースで17着と殿負け。オーナーの西山茂行氏は、自身のブログでレースを振り返りつつ、同馬の今後について明かしている。
レースはセイウンコウセイを先頭にラブカンプー、ビアンフェの3頭が飛ばし、馬群を牽引。だが、騎乗した幸英明騎手もレース後に、「無理してでも先手を取りに行ってくれという話でした。ペースが速くて、最後は一杯になってしまいました」と語った通り、トップで直線に入るも、早々に手応えを失い、次々にライバルたちに交わされ、無念の最下位に終わっていた。
オーナーがブログで新たな進路を明言?
この結果を受けて西山氏は13日に「セイウンコウセイについて」とタイトルをつけて、自身のブログを更新。「ハナに行って前半33,0の暴走気味の大逃げは見ている馬主をドキドキハラハラさせてくれた」、「結果からすると恥ずかしい表現だが、直線入り口では夢を見せてくれました」などとレースを振り返り、「何もしないで負けるより、行くだけ行って、破れて悔いなしです。」(原文ママ)と愛馬をねぎらった。そしてセイウンコウセイの今後について、管理する上原師と「これからゆっくり相談」しながら、種牡馬入りを目標に動いていくという。だが、セントウルS出走前には、セイウンコウセイを「来年には種牡馬」にするプランを明かしていたものの、「サウンドトゥルーが西山茂行に悪い影響を与えました」と、地方に転厩し、10歳ながら、9日に大井で開催された東京記念(S1)を勝った同馬を引き合いに出しつつ、「ダートの地方交流の旅を1年やってみるのもありかな」などと、新たな進路も視野に入ったことを明かしている。
セイウン構成の種牡馬入りはまだ先?
「セイウンコウセイの近走の成績が振るわなかったことに加えて、今回の大敗。西山オーナーもついに決断をするかと思っていたのですが、サウンドトゥルーの勇姿を見て心が揺らいだようですね。また西山オーナーはすでにリーチザクラウン、ネロと種牡馬を抱えているため、セイウンコウセイに付ける繁殖牝馬がいないという事情もあるようです。セイウンコウセイはキャリアの初期にはダートのスプリントでも走っていました。挑戦を果たせば、サウンドトゥルーやノンコノユメのように交流重賞で活躍することもありえるかもしれません」(競馬誌ライター)
西山オーナーにとってセイウンコウセイは、セイウンスカイの菊花賞(G1)以来、19年ぶりにG1勝利をもたらしてくれた功労馬。それだけに今後について、おいそれと決断をすることができないのも当然だ。
セイウンコウセイはどんな未来へ進むことになるのだろうか?